知らぬ間に刷り込まれる性差別
2011.06.04

さ きほど買い物の帰りに自販機でコーラを飲んだ。自販機の上にポリカーボネートの広告が入っていた。「男ですいません」とある。無精ひげをはやした男性の顔 写真にフォトショップで何かフィルターをかけてさらに暗い犯罪者のような顔に演出している。商品はジョージアである。日本コカコーラの販売する缶コーヒー である。私は新聞社で広告営業として10年働いた。当然ながら、一般の人とは広告の見方が違う。私はこのジョージアの広告に大きな違和感を覚えたのだが、 それが何であるかなかなかわからなかった。しばらく考えてやっとわかった。この広告には販売促進とか企業のイメージアップにつながるプラスの広告効果が無 いのだ。プラスの広告効果が無いのに「男ですみません」という広告コピーを入れるのは明らかに男性差別である。どうせ電通が作ったんだろうと思い、家に帰 り検索したら本当に電通制作だった。ここまで露骨だと笑ってしまう。

(この「男ですいません」というのはシリーズ広告であるようだが、この文章は私が見た自販機広告限定で話をすることをお断りしておく)

まず日本コカコーラのサイトを見てみよう。

http://www.cocacola.co.jp/corporate/news/news_20110117_01.html

スタッフリストを見ると

広告会社 株式会社バスキュール/株式会社電通
制作会社 株式会社BUONO
クリエイティブディレクター 朴 正義 (以下、省略)

とある。このバスキュールという会社はどういう会社なのか私は知らなかった。サイトを訪問してみた。

http://www.bascule.co.jp/

上記サイトなのだがフラッシュが多用されており、しかもスキップができない。嫌がらせとしか思えないがアート系のサイトには割とこの手の無神経なサイトがあるのも事実だ。鬱陶しいのであえてwikiから引用する。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB

代表取締役、朴正義となっている。つまりこの「男ですいません」という広告キャンペーンを手がけているのは朴正義氏と電通である。

すでに話題になっているらしくマトメwikiもあった。

http://www44.atwiki.jp/dansabecm/pages/19.html

ただ私が問題にしている点は上記マトメ・サイトとは違う。「男ですいません」という広告に何らプラスの広告効果が無い点を問題にしている。プラスの広告効果が無いのに男性を一方的におとしめているのだからこれはネガティブ・キャンペーンである。つまり男性差別だ。

では何故、この広告は放置されているのか?これは簡単で広告を審査するような公的な機関全てが電通と大手メディアと総務省天下り官僚により支配されているからだ。

こ こで「男はそんな小さな事に文句を言うな」という反論は可能だ。要するに伝統的な男性ステレオタイプの押しつけである。そういう論理であるなら「女は家を 守っていれば良い」という広告もあるべきだ。それが無いのだから男性差別である。こういう広告を見るとき、日本社会は病気だと思う。しかも自販機のポリ カーボネート広告を見ただけで電通制作とわかるというのも何だかな・・・・

追記

昔、田原総一郎氏が「電通」という本を出 された。この本では電通の社内にエレベーターが止まらないフロアがあることが大変な陰謀であるかのように書かれていた。私は広告営業として電通に行ったこ とも彼らのチームと打ち合わせをしたこともあるが、この止まらないフロアには気がつかなかった。というか、そんな「秘密のフロア」は大手の会社には普通に ある。

例えば朝日新聞本社には全てアラスカというレストランが上層階に入っている。だがアラスカは朝日の幹部社員の食事および接待/打ち 合わせ専用である為に、一般向けの広告がうたれたことは無い。それを言うなら朝日新聞が銀座の雑居ビルの4-5階に持ってる秘密バーはどうなんだと言いた くなる。この秘密バーは看板を全く出してない。入り口のドアも不動産業者の事務所のような無骨な作りだ。だが、中に入ると数室をぶち抜いて作った会員制 バーが現れる。こんな秘密バーを持ってる新聞社がよく麻生氏のバー通いを批判できたものだ。

恐らく運営は子会社にやらせていると思われる。新聞社が秘密バーを持っているのがわかると不味いからだ。日本社会というのはこういう風な仕組みなんですよ。