日々、行われるNHKによる洗脳工作

今、NHKラジオのニュースを聞いた。4月3日夕方5時、地球ラジオという番組の前にある短いニュース番組だ。このニュース番組で取り上げられたニュースは3つある:

1.日銀が報告書を出し中国の不動産バブルは日本のように深刻なものにはならないと主張した
2.環境団体グリーンピースがオランダで鯨肉を積んだコンテナ船に妨害を行ったために船はコンテナを降ろして出向した
3.諏訪神社の祭り

オランダの鯨肉事件は下の通りだった。これはNHK独自の編集方針で理解できないこともない。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100403/t10013612481000.html

問題はトップで延々、繰り返した「中国の不動産バブルは日本のように深刻なものにはならない」という日銀報告書である。グーグルニュース検索の結果:

「nhk 日銀 中国 不動産」に該当するページが見つかりませんでした。

大 体、私は経済や金融に関するニュースは他のニュースより熱心に読んでいるのだが、今日、日銀が何らかの報告書を出したというニュースを読んだことがない。 そこで調べたら何と5日前に出した報告書を今日のラジオ・ニュースのトップに持ってきているのだ。とりあえずブルームバーグから引用する。

引用

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=aCwOAiH3LQZM

3月30日(ブルームバーグ):日本銀行は30日午後、「中国経済が資産市場の調整などをきっかけに、大幅に変動するようなことがあれば、世界経済に対して無視し得ない影響を及ぼす可能性も考えられる」とするリポートを公表した。

リ ポートは「最近における中国の不動産価格の上昇について」と題し、北京や上海では「住宅の平均販売価格が世帯年間可処分所得の20−30倍に達している」 と指摘。現在の中国での不動産価格の急速な上昇には「将来の値上がりを見越した投機的な購入も影響している可能性がある」としている。このような不動産市 場の過熱感に対し、中国政府は過熱抑制に向けた施策を矢継ぎ早に導入している。

リポートは@現在の中国の経済成長段階は過去の日本で いえば1970年代前半あるいはそれ以前に相当しており、潜在的な成長力は依然かなり高いA債務主体のレバレッジ(負債による調達割合)の水準が過去の日 本のバブル期に比べれば抑制された状態にある−と指摘。「不動産市場の調整が生じるとしても、それが90年代の日本のような深刻な調整とはならない可能性 を示唆している」としている。

一方で、現在の中国には「70年代前半の日本になかった不動産市場の過熱を強め得る幾つかの要因が存在 する」と指摘。@地方政府の財政収入に占める不動産関連収入の割合は約4割に上るとみられ、財源不足に悩む地方政府の不動産開発に対するインセンティブが 強いA海外からの投機資金が資本規制の抜け道を通って中国国内に「熱銭」と呼ばれる短期資金として流入していると言われる−点を挙げた。

      急速な資金流出で調整大きくなる可能性も

リポートはさらに「海外からの投資資金は現在の比較的厳しい資本規制の下でも流出入のペースが速くなっている。このため、今後、中国の不動産市場に調整が生じることが投資家の間で懸念された場合には、急速な資金流出が生じ、調整を大きくさせる可能性もある」と指摘。

その上で「中国の資産市場が健全に発展し、中国経済が安定的に成長することは、世界経済の回復モメンタムを維持する上でも重要である。中国政策当局の対応が、引き続き注目される」としている。

引用終わり

こ れはひどい。 ブルームバーグの記事を見る限り、日銀はむしろ中国の不動産バブルに大きな懸念を表明している。だがNHKのアナウンサーは正反対で、日銀は中国の不動産 バブルは日本の不動産バブルのような深刻なものではないと結論づけたと何度も繰り返した。これが洗脳で無かったら何が洗脳なのだろうか?ちなみに男性アナ ウンサーの声が不自然に震えていたから工作活動をやってるという自覚はあるのだろう。

私が昔、新聞社の広告営業をやっている頃、広告主か ら朝日記者への苦情をよく聞かされた。一番、批判的だったのは今、真央タンが通っている中京大学だった。もう20年前の事なので固有名詞を出しても良いだ ろう。何回も朝日記者への不平不満を聞かされたので、私はたまたま知り合いだった社会部の学校担当記者に「広告主の不満」を伝えた。

それ は良いとして、あんまり何回も朝日記者への不平不満ばかり聞かされるので若干、頭にきた私は「じゃあ、どこの報道が良い報道と考えられているんですか?」 と聞き返したことがある。私がそうした記事を書いてる訳でも無いのにオレにばっかり文句言うなと思ったのだ(笑)。そうすると中京大学の事務局長(この人 は当時、中部私学連盟という私立大学組織の代表をしていた)は「NHKが良い。朝日はNHKを見習え」と主張した。確かに当時のNKHの報道は抑えた報道 が多かったから、そう主張する気持ちは理解できない事もなかった。

一体、NHKに何がおきたのだろう?変わり果てたNHKの洗脳放送に私は大きな違和感と不信感を持ったのだった。20年前は日本で最も偏りがないと主張する人もいた放送局がいつしか洗脳装置になっていた。個人的に今、一番偏向しているのは公共放送であるNHKだと思う。

嘘だと思うなら、この文章の最初に挙げたNHKラジオ・ニュースを探し出して聞いて見るといい。どこかにアーカイブがあるはずだ。