ナベサダとジャズとチベットの3つの謎かけ問題

ナ ベサダこと渡辺貞夫さんと言えば日本を代表するジャズ演奏者の一人である。その渡辺さんの兄さんが90年代末期に殺害された。この殺害犯が中国人であるこ とを報じたマスメディアはほとんど無かった。マスゴミにふさわしい行為だ。あきれた事にジャズ雑誌すらこの中国人の名前を出さなかったばかりか、殺害犯が 中国人であることすら報じなかった。

引用
金品目当てか、恨みか 渡辺貞夫さんの兄殺害サックス奏者渡辺貞夫さんの兄の渡辺登幾雄さん(81)が宇都宮市の自宅で他殺体で見つかった事件で、宇都宮中央署捜査本部は10 日、金品目当てと恨みの両面から捜査を続けている。現場の状況などから、渡辺さんは自宅で殺害されたとみられる。
www.47news.jp/CN/200209/CN2002091001000116.html  引用終わり

当 時は私も事情がよくわからなかったのだが、後に渡辺貞夫さんはチベットに旅行し、その自然に魅了され同時にダライ・ラマと親交を持つようになったことを 知った。なるほどね、そういう訳だったのか、それなら日本のマスゴミが報道しないのも当然だなと私はようやく納得した。さらに調べてみるとダライ・ラマは 頻繁に来日しており、渡辺さんはその度にダライ・ラマに会い、パーティーなどの席でチベットをイメージしたフルート曲を演奏されているようだ。マスゴミが 報道しないから日本人はその事実を知ることすらできない。

正直、私はナベサダをあまり評価してなかった。日本でのジャズ教育でのリーダーであったのは確かだが、演奏にあまり独創性を感じなかった。私はジャズも聴くコンゴ音楽ファンでしかないから私の評価がどうであろうとジャズ・シーンに何ら影響を与えるものではないにせよだ。

だ が兄が中国人に殺害された後も、チベットの人と自然を愛しダライ・ラマとの親交を続けたことを考える時、私はジャズマンとしての渡辺貞夫さんを過小評価し ていたことに気付いた。よくロック・ミュージシャンで「オレはロックを演奏しているのではない、オレの生き方がロックなのだ」というような大言壮語をされ るかたがいるが、ロックというのは商業的にペイする音楽であり、破天荒な生活はかえってファンにアピールするだろう。だが渡辺さんがダライ・ラマとの親交 を続けることはすでにビッグ・ネーム・ミュージシャンであるナベサダにとってマイナスにこそなれプラスにはならない。だがナベサダは別に大げさな抗議やア ピールなどせず今も静かにジャズを演奏し続けている。

比較的新しい録音を動画サイトで聴いてみたがやはり好きになれなかった。だがナベサダのジャズマンとしての自由な魂は誰にも否定できないだろう。ナベサダはジャズの演奏者ではなく、ジャズを生きた人として私は憶えておきたいと思う。

やはりナベサダは偉大なミュージシャンだったんだな、今頃になって私はしみじみと実感するのだった。